はじめに:ガンプラ塗装とスジ彫り、1年目の記録
ガンプラを始めて1年。右も左もわからない状態から、少しずつ道具を揃え、試行錯誤を重ねてきました。この記事は、そんな“まだまだ初心者”の僕が、筆塗りを中心にスジ彫りや塗装に挑戦してきた記録です。
基本は水性塗料を使い、トップコートだけはスプレーで仕上げています。筆塗りならではの味わいや、薄め液の使い方、スジ彫りのコツ、そして「これ使える!」と感じた道具たちも紹介していきます。
プロの技術には遠く及びませんが、これから始める方にとって「最初の一歩」の参考になれば嬉しいです。まだまだ書き足したいことは山ほどありますが、まずはこの1年の成果を、等身大でお届けします。

- はじめに:ガンプラ塗装とスジ彫り、1年目の記録
初期モールドの彫り直しで仕上がりが変わる
ガンプラには、最初から彫られているモールド(パネルライン)が存在しますが、これをそのまま使うと墨入れがうまく乗らず、滲んだり薄くなったりすることがあります。彫り直すことでラインが深くなり、墨入れが綺麗に決まりやすくなります。
特にHGシリーズでは、初期モールドの幅が約0.3mmであることが多く、彫り直しには0.3mmのタガネがちょうど良いです。角や細かい部分には0.1mmや0.15mmのタガネを使うと自然な仕上がりになります。
✒️ タガネとけがき針の違い
タガネは刃の幅が一定で、安定した深さと幅のラインが彫れるため、初心者にも扱いやすいです。けがき針は先端が尖っていて、力加減によってラインの太さが変わりやすく、均一なラインを出すのが難しいというデメリットがあります。また、プラを“削る”というより“引っかく”感覚なので、バリが出やすく、後処理が必要です。また、墨入れ時の流れ方もスムーズさがタガネのほうが良くなります。

ちなみに私の使っているタガネはウェーブ ホビーツールシリーズ HGマイクロチゼルです。十分キレイに掘ることができます。
正直、BMCタガネがよく掘れる有名ですが私も欲しいです。ただ、そこまで高額にお金をかけるかというとそれも違う気もします。ウェーブさんでもかなり掘れるので十分かと思います。ただし、Amazonで流通している中華製品などは掘るのに苦労すると思います。買わないほうが良いでしょう。
独自モールドとマイナスモールドの追加
キットにないラインやディテールを追加することで、作品の個性や情報量がグッと増します。独自モールドの追加は、初心者でも挑戦できるディテールアップの第一歩です。
✏️ まずは鉛筆で下書き
彫る前に、鉛筆でラインを描いてみるのがオススメです。位置や角度を確認でき、消しゴムで簡単に修正できるので安心して試せます。
🛠️ モールドの太さと使い分け
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0.15mm:シャープで繊細な印象。リアル系や情報量を増やしたいときに最適。
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0.3mm:既存モールドと馴染みやすく、自然な追加が可能。
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0.5mm〜0.8mm:HGシリーズではマイナスモールド(ネジ穴風)やアクセントとして使うと効果的。関節周りや装甲の切れ目などに配置すると、メカらしさがアップします。
ちなみにけがき針→0.15mm→0.3mm...と徐々に大きくしていくのがコツです。
僕はダイソーさんのけがき針を使っているのですが、最初はうまくラインが引けませんでした。原因は、先端がグラグラと揺れて安定しなかったこと。そこで思い切って中を開けてみたところ、構造的に少し緩くなっていたようだったので、タミヤセメントで接着してみました。
結果、先端がしっかり固定されて、驚くほど綺麗にラインが引けるように! 100均ツールでも、ちょっとした工夫で使いやすくなることを実感しました。
工具も改造してみると面白いようにうまくなったりします。
スジ彫りには専用テープを使うべし——マスキングテープとの違いと使い分け
スジ彫りを始めたばかりの頃、僕も「マスキングテープで代用できるんじゃ?」と思っていました。確かに一見似ているし、手元にあることも多い。でも実際に使ってみると、マスキングテープは柔らかく、刃先がブレやすい。なぞっているうちにラインがズレたり、テープがヨレてしまったりすることが多々ありました。
🟨 マスキングテープの役割は「目印」
とはいえ、マスキングテープがまったく使えないわけではありません。どこに彫るかの目印として貼るには非常に便利です。僕はよく1mmや2mm幅のマスキングテープを使って、直線や角度を自由に構成しています。貼ってみて「やっぱり違うな」と思えばすぐに剥がせるので、レイアウト確認にも最適です。
📏 スジ彫りには専用テープを!
実際に彫るときには、必ずスジ彫り専用テープを使うべきです。このテープは硬さと粘着力のバランスが絶妙で、刃先が安定し、ラインがブレにくくなります。特に細かいモールドや曲面に彫るときには、専用テープの有無で仕上がりが大きく変わります。

💡 コスパで選ぶなら「ハイキューパーツ」
スジ彫り用ガイドテープは100均でも手に入りますが、長さや粘着力、安定性を考えると「ハイキューパーツ」のスジボリ用ガイドテープが圧倒的にコスパが良いです。長く使えるので、結果的にコストも抑えられますし、何より安心して彫れるのがありがたい。
塗装は筆塗り水性ホビーカラーがちょうどいい
🌿 水性塗料のメリット
匂いがほとんどない:部屋で塗っても気にならないレベル。換気扇やマスクなしでも作業可能です。
隠蔽力が高い:最近の水性塗料は進化していて、薄くてもしっかり色が乗ります。重ね塗りも楽。
ラッカーやエナメルの上からも塗れる:下地を選ばず、仕上げの調整にも使いやすい。
キッチンマジックリンで落とせる:失敗しても、マジックリンで塗料を落としてやり直せるのがありがたい。薄め液を使って落とす必要はないですからね。最近ではラッカー、エナメル塗りの上から水性塗料で墨入れや狭いところを塗るテクニックもあります。塗ってから綿棒にマジックリンを染み込ませて擦ると水性ホビーカラー取れますからね。
🧴 薄め液と乾燥時間
水性塗料用の薄め液は多少臭いますが、ラッカーの薄め液ほど激烈ではありません。室内作業でも問題なし。
乾燥時間も短めで、数時間あれば次の工程に進めることが多いです。筆塗りならではの手軽さも魅力。
ただデメリットとしてラッカー塗料ほど豊富なラインナップはない、乾燥時間が長いといった点は致し方ないところです。
下地は“元の色”と“塗る色”で決める
塗装に入る前に悩むのが「下地、どうする?」という問題。僕の場合、下地は元のパーツの色の暗さと、塗る予定の色によって決めています。
たとえば、白や明るい色を塗りたいときに、パーツが黒や濃いグレーだと、どうしても発色が悪くなります。そんなときは、白やライトグレーの水性サフェーサーを筆で下地を塗ってから本塗装に入ります。これで色が綺麗に乗ります。
逆に、濃い色(ネイビーやダークグリーンなど)を塗る場合は、元のパーツが暗ければそのまま塗っても問題ないことが多いです。下地を省略することで時短にもなりますし、筆塗りならではの“ムラ”も味になります。つまり、下地は「絶対に必要」ではなく、塗る色と元の色のバランスを見て判断するのがポイント。僕自身もまだ試行錯誤中ですが、少しずつ「この色にはこの下地が合うな」という感覚が掴めてきました。
ただ透けそうなパーツの裏には黒鉄色か焼鉄色、もしくはつや消しブラックを塗ります。そうすることでガンプラに重厚感が出ます。
自分なりの筆塗り——4段階で仕上げる“縦・横・斜め”の塗装術
筆塗りは、手軽で奥深いガンプラ塗装の入り口。僕自身、いろいろ試してきた中で、今は“4段階塗り”のスタイルに落ち着いています。ここでは、僕なりの筆塗り手順と工夫を紹介します。
🧪 薄め液+水で塗料を調整
筆塗りには少し薄めた方がムラが出にくいですが、薄め液だけだとすぐに蒸発してしまうし、筆の滑りも悪くなりがち。そこで僕は、薄め液と水を1:1で割った液体を100均のスポイトボトルに入れて常備しています。塗装時は、アルミ皿に塗料を攪拌棒で垂らし、そこに割った薄め液を1滴加えて混ぜたものを使います。これで筆の滑りが良くなり、塗りやすさが格段にアップします。
🖌 筆は硬めがベスト
柔らかい筆は塗料を含みすぎたり、狙った場所に塗りにくかったりするので、硬めの筆を使うのがオススメです。細かい部分も狙いやすく、塗りムラも減らせ、泡立ちも減らせます。こういう泡立ちにくい筆もありますが、100均で十分です。
🎨 僕の筆塗り手順
- 縦方向に塗る(1回目) 最初は薄く、縦方向に塗ります。一度塗った場所にはなるべく重ねないように注意。重ねるとその部分だけ剥げたり、下地が傷んだりすることがあります。特に水性サフェーサーを使っている場合は、重ね塗りで下地がハゲるリスクがあるので慎重に。
- 横方向に塗る(2回目) 乾いたら、今度は横方向に塗ります。ここでも重ねすぎないことがポイント。縦と横の塗りで、面全体に均一な色が乗ってきます。
- 斜め方向に塗る(3回目) 再度乾いたら、斜め方向に塗って仕上げます。この段階で、全体の色ムラを整えるつもりで丁寧に塗ると、完成度がグッと上がります。
- 細部の仕上げ(4回目) 最後に、塗り残しや細かな部分をチェックして、爪楊枝などでピンポイントに塗り足して仕上げます。筆では届かない場所や、微調整が必要な箇所に便利です。
スミ入れで“締まり”を出す——色選びと拭き取りの工夫
スミ入れは、ガンプラの完成度を一段階引き上げてくれる魔法のような工程です。モールドに色を流し込むことで、立体感が増し、全体がグッと引き締まって見えるようになります。また、自分でスジ彫りしたところに流し込むのは気持ちもひとしおです。僕も塗装が終わったら、必ずこの工程を入れるようにしています。
🎨 色の使い分けで印象が変わる
- 白や黄色などの明るい色にはグレー:自然に馴染みつつ、ラインをしっかり見せてくれます
- 赤や青などの中間色にはブラック:コントラストが強く、引き締まった印象に
- 黒っぽい色にはライトグレイ:あえて明るい色を使うことで、ディテールが沈まず、情報量が増して見えるようになります
🧽 拭き取りは“落とさない”工夫がカギ
仕上げはトップコートで決まる——水性プレミアム〈つや消し〉の魅力
🌤 水性だから安心、UVカットで長持ち
水性タイプなので臭いが少なく、室内でも使いやすい。筆塗り派や換気が難しい環境でも安心して使えます。でもさすがに、室内は辛いので、私は家の裏手でやってます。少しついてもわかりませんからねw
UVカット成分入りで、紫外線による塗装の退色を防いでくれるのも嬉しいポイント。長期展示や屋外撮影にも強いです。
🧴 スムース効果で擦れにくい
表面にスムース成分が加わっていて、摩擦抵抗を軽減。擦れキズがつきにくく、持ち運びやポージング時の安心感が違います。
つや消し仕上げでも透明感があり、塗膜が白っぽくならないのも特徴。マットなのに上質な質感が出せます。
🛠 筆塗り派との相性も抜群
水性塗料との相性が良く、下地を侵しにくいので安心して吹けます。
乾燥も比較的早く、数時間で触れる程度に仕上がるので、作業のテンポも崩れません。
HGでもここまでできる——積み重ねたテクニックの集大成
ここまで紹介してきた「彫り直し」「新規モールド追加」「筆塗り」「スミ入れ」「トップコート」——すべての工程を丁寧に積み重ねて仕上げたのが、今回のHGザクⅡです。
一見するとMGやRGにも見えるかもしれませんが、ベースはあくまでHG。特別な道具や高価な塗料を使わなくても、工夫と手間をかければここまで仕上げられるということを、ぜひ伝えたいと思っています。
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初期モールドを彫り直すことで、墨入れがくっきり決まる
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独自モールドを加えることで、情報量と個性がアップ
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筆塗りでも、薄く丁寧に重ねればムラなく仕上がる
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スミ入れの色選びと拭き取りで、ディテールが際立つ
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トップコートで質感と耐久性をプラス
これらの工程は、どれも初心者でも少しずつ取り入れられるテクニックです。最初はうまくいかなくても、回数を重ねるごとに手が慣れ、作品の完成度も上がっていきます。
今後も精進し、いろんなテクニックを学んでいきたいと思っています。